京都からのお嫁入り。スペインからのゲストを迎えた結婚式

<出会い>
金沢の奥座敷にある料亭旅館の和田屋の女将からのお電話で「本人様が東京にいて、新郎様の実家は石川で、お嫁さんの実家が京都のお客様でややこしいんだけど相談に乗ってあげてくれない〜」ってことからでした。2010年1月のこと。

笑顔がかわいい若いお二人と、関西弁の元気な花嫁様のお父様。優しい新郎様のご両親。なかなかインパクトのある皆様でした。新郎の実家のある白山ヒメ神社での挙式をしたい。披露宴は和田屋で。時期は8月に!初回の打ち合わせでポンポン決定して「後はよろしく!」
結婚準備を進めるお二人は都内に在住。ご両家ご両親のお住まいも離れていて、加えてスペインからゲストを迎える(日本語は出来ません)
さてさて、いろいろ難題もありますが婚礼屋パートナー企業と総力あげて準備のお手伝いをはじめました。
<結婚準備>

お二人とはメールでのやり取りがメインでの打ち合わせ。まだ結婚式に出席をされた事が無いお二人ですから、イメージもわかりません。とにかくゲストの把握をするまでは全容が見えないと、ご名簿の作成を依頼し提出いただきました。
ご遠方からのゲスト、それもご年配のゲストもいらっしゃる事がわかり無理のない行程での移動とご参加をご提案。新婦側は全員バスで観光付き前泊参加です。パートナーのツアーコンダクターにすべての手配を依頼し、新婦様ご家族と調整しながら進めていただき、せっかくの新郎側ご実家周辺を知っていただくプランで温泉宿泊いただくことに。
スペインからのゲストには、新郎自ら観光プランを作って日本に到着してから京都〜金沢〜都内とご案内される事に。

3月に一度だけ、加賀のサロンにご来店いただいただけで、後は私が都内出張の時に数度ホテルのカフェで打ち合わせ。メールのやり取りだけで進めました。
<結婚式当日>
当日は猛暑のど真ん中。スペインに長く留学していた新郎様にピッタリの一日になりました。衣装係の配慮でオーガンジィの打掛をご用意いただいた新婦様は、元気に挙式をこなされ新婦側ご親族も前泊の宴から盛り上がっていただきました。スペインからのゲストも着物を来て、緊張した面持ち。新郎のお母様の配慮に喜ばれています。
どんな一日になるのか、だぶん主催者の誰も把握していない(笑)スタートです。

披露宴ではスペインから参加した小学生のお子様と、新郎のおじさまが飛び入りで「幸せなら手をたたこう」の曲を一緒にアカペラで披露いただき、日本語とスペイン語の両方が心地よい響きで会場を満たしました。
スペインからの参加は新郎様にとっては第二の父母。留学時のホストファミリーとしてツライ時も支えてくれた大切な方達です。ホストファーザーのスピーチを通訳しながら照れて、泣いて、あったかい時間で会場中が新郎の人となりを知る素敵な宴になりました。
新婦様のお父様の「娘を頼むぞ」と言う素直な行動に、司会をお手伝いしていた私も言葉に詰まってしまいました。
和の座敷での日本の婚礼を会場中の皆様が初体験され、感動と笑いでいっぱいの一日でした。それから一週間後に都内で開いた披露パーティにもお邪魔して、160名あまりの多くの友人たちとの楽しい宴も見守らせていただきました。二人のお人柄ですね。笑顔いっぱいでした。

<結婚式後>
新婦様からいただいたメールです。
「こんにちは。早い物であれから2ヶ月たちました。先週友人の結婚式に夫婦揃って出席しました。素敵なゲストハウスでのお洒落な結婚式でした。友人の結婚式の参加ははじめてだったから今の結婚式ってこんな感じなんだと、楽しんで参加して来ました。
今思っても、石川で挙げた結婚式披露宴が私たちの中で一番良かったねって(友人の披露宴が悪いんじゃないんですよ)私たちらしい披露宴にしていただいた事を感謝します。また東京で打ち上げしましょうよ」
【私たちらしい】一番嬉しい言葉なんです。婚礼屋には。
今まで出逢ったすべての新郎新婦様、全部違います。生まれも家庭環境もすべて違う皆様です。ゲストも違います。結婚式披露宴も毎回違ってあたりまえだと思っています。
特に、披露宴のシナリオは当日になって見なきゃわかりません。お二人とはフェィスブックなどでも繋がっていて、先日の震災の時も連絡を取り合い、無事を確認しています。
これからもっともっと幸せに成長されるお二人をずっと見守っていきたいと思っています。
