「神前式」で挙式をあげるということ

神前挙式は、現在のように神社における結婚式の形は、歴史的に見ると明治三十四年に
【皇室婚嫁令により皇太子であった大正天皇と、九条節子姫(貞明皇后)が前年に宮中賢所大前において執り行われたご婚儀】
に基づき定められた神前結婚式の次第で、一般では日比谷大明神(現・東京大明神)において行われた事により、全国に普及するものとなりました。
ご結婚式を執り行った神社へは、毎年の初詣で「今年も二人仲良くお正月を迎えました」とご報告したり、お子様が誕生された際には、お宮参りを「縁を繋いでいただいた神社で」と親子で参拝され、お子様の成長とともに学業、健康など末永くお付き合いを繋げて行く節目の場として、お選びいただくことをお勧めしています。
ホテルや結婚式場内に用意されている拝殿においても、必ずその拝殿の基となる神社様がいらっしゃいますので、意味合いは同じに考えていただけます。
式次第は、言葉は難しいかも知れませんが、意味をわかって行う事で誓いの儀式がより自分たちの心に残るものになります。
1) 修祓 【しゅばつ】
神殿、参列者のお清めとなります「お祓い」を行います。
2) 斎主一拝 【さいしゅいっぱい】
挙式のはじまりに、司式を行う「斎主(神官)」にあわせ参列者一同が神様に一礼します。
3) 献餞 【けんせん】
お供え物「神饌(しんせん)」を差し上げる儀式。斎主(神官)が執り行います。
4) 祝詞奏上 【のりとそうじょう】
斎主が神様に新郎新婦様の結婚を報告し、その幸せを祈ります。
文語体(古文)で読み上げられますが良く聞き取られると意味もわかり新郎新婦様も心のなかでご一緒に祈ります。
5)三献の儀 【さんこんのぎ】
「三々九度」神前に上げられたお酒(お神酒)を、新郎新婦が誓いの大・中・小の3つの盃で交互に飲み合います。
同じ杯からお酒を飲むことで夫婦関係の絆を結ぶ儀式です。

6)指輪交換 【ゆびわこうかん】
結婚指輪の交換を神社に申し出られる方はここで行います。
本来の式次第には入っていないもので、格式ある神社の場合は場を移して行うところもございます。
最近では行うことが多く、式次第に組み込まれている神社がほとんどとなっています。

7)誓詞奏上 【せいしそうじょう】
新郎新婦様が「結婚の誓い」を神に届くよう読み上げます。神社で用意された「誓詞(せいし)」を読み上げ、それを神前に供えます。
8)玉串奉奠 【たまぐしほうてん】
神様の「拠り代」である玉串(榊(さかき)に紙垂(しで)をつけたもの)を神前に捧げます。
玉串を納めたら、二礼二拍手一礼にて参拝します。
新郎新婦様と媒酌人様(立ち会いない場合は省く)、両家の代表が続いて行います。
9)親族杯の儀【しんぞくはいのぎ】
ご両親をはじめとする参列いただいた親族一同にお神酒が配られ、一同にて飲み干します。
「両家固めの杯」「親族固めの杯」とも言われます。この親族杯をもって、両家が親族関係となります。

10)撤餞 【てっせん】
神饌を下げ、式の仕舞いの儀式です。
11)斎主一拝 【さいしゅいっぱい】
開式時と同様に司式を行う「斎主(神官)」にあわせ参列者一同が神様に一礼します。
この前後に斎主より、お言葉をいただくことがございます。
次第のひとつひとつの行為は、古来より自宅で行う結婚式が日本の婚礼文化として、
三々九度の杯を、両家で親子固め、親族固めの杯を交わすという元々の自宅婚を基本に整えられているといわれています。
歴史ある「神前式」で挙式をあげるということ。
両家の繋がりを大切にされるお二人に。